Ado.home　Realestate inc

Ａさんは、ここ最近ずっとあることに悩んでいました。
最近ではこの地方にも都市化の波がジョジョに押し寄せてきて、Ａさんの農地の周りの住宅地は、地価も以前に比べ少々上がり始めているようです。農協や他の集まりの都度「Ｃさんの家はじいさんが亡くなって２億円もの相続税を払ったらしいぞ」とか「Ｄさんちは、田んぼを埋めてドラックストアーに貸したら過去に 戻って鼻血が出るような税金を持っていかれたらしい」といった話ばかりで、Ａさんも、もし自分に何かあったら と不安を抱き始めていたのです。

そんなある日、某メーカーの中年営業マンが突然Ａさんに訪問してきました。　そして来るなりに、こう言ったのです。「いいですかＡさん、いまどき農地を持ってたら大変なことになりますよ。相続税だけで破産ですよ！私はそんな人をいっぱい見てきていますからね。早くなんとかしないと！」。この一言でＡさんの不安は一気に増幅しました。その後相続税対策と称して、いろんな賃貸マンションの提案を親切に持参してくれるその営業マンをすっかり信頼して、ついに全２０世帯のファミリーマンションを１億５０００万円の借金をして市街化区域内にあった田んぼを埋めそこに建てたのです。

この時点で初めてＡさんは悟りました。「こんなことなら、やらなきゃよかった…」と頭を抱えるＡさん。取引先の銀行マンに相談したところ、そもそもＡさんの農地は半分以上は市街化調整区域にあるから資産全体の額もそう多くなく、相続税は生じない可能性が強い状況だったということが分かりました。それを知ったＡさん、自分のあさはかさと、弱みに付込むような手法で営業マンを送り込んできた某メーカーに対する怒りで体が震えたそうです･･･おそらくＡさんのこの怒りは永遠に続くことでしょう。