代表的な相続税対策
1.節税
例えば、更地で相続税評価額1億円の宅地の上にアパートを建設し、賃貸した場合
借地権割合を70%、借家権割合を30%、賃貸割合を100%ととしますと
貸家建付地の評価は「1-70%×30%×100%=79%」となり7,900万円の評価となり
2,100万円の評価減となります。
又更地を有効利用することで、小規模宅地等の評価減の特例も受けることもできます。
この他、建物についても貸家としての評価となり、相続税評価額の軽減効果が望めます。
例
自用地価格 100,000,000円
アパートの建設費 60,000,000円
借入金額 60,000,000円
借地権割合 70%
借家権割合 30%
賃貸割合 100%
①更地のままでの所有 (時価 100,000,000円)
自用地で評価 (評価額 80,000,000円)
②土地上に建物を建設し、賃貸用にした場合
〔土地〕 貸家建付地としての評価
自用地評価額-自用地評価額×借地権割合×借家権割合×賃貸割合
(100,000,000) -(100,000,000) ×70% ×30% ×100% =79,000,000円
*更に、小規模宅地の評価減の適用を受けることにより、不動産貸付用地
50%(適用要件・限度面積あり)が減額される。
〔建物〕 貸家として評価
自用家屋としての評価額-自用家屋評価額×借家権割合
(36,000,000) -(36,000,000) ×30% =25,200,000円
*自用家屋としての評価額=建築に要した費用の約50%~60%程度となる。
〔借入金〕 60,000,000円
負債額として60,000,000は控除される。 |
アパートなどの不動産活用を行うことにより、固定資産税・都市計画税は軽減され
損益通算を利用することで、所得税や住民税を軽減することも可能である。
2.納税資金の確保
相続税の納税は現金にて一括して支払うのが原則です。その為多額の現金が必要となります。
しかも10ケ月以内の申告期限が設けられているために、早期に現金を用意しておかなければ
いけません。不動産の売却で対応する場合は思いどうりの価格になるかどうか?期限までに
売却が可能か?という不安も出てきます。
納税のための資金をあらかじめ準備しておくのも重要なことなのです。
3.スムーズな遺産分割
相続財産をめぐり相続人どうしの関係が険悪になることは、非常に不幸なことです。
遺産分割協議がうまく進まない場合、財産を共有にするケースもあります。
しかしこの場合、将来売却を行う際に共有者全員の同意が必要となるため、その時点
において、新たなトラブルが生じることもあります。
前もって「分割しやすい状態にしておく」ことも大切なポイントです。